河村隆一
RKF MEETING 10th Anniversary-Symphonic RK
2003.8.21 東京サントリーホール



SET LIST

第一部
1 .in the sky
2 .ジュリア
3 .花
4 .CIELO
5 .confession
6 .激痛
7 .Glass

第二部
8 .Ne
9 .my first love
10.静かな夜は二人でいよう
11.stop the time forever
12.この旅を続けて
13.Love is ...
14.Sugar Lady
15.I love you

EN
1.新曲
2.深愛

 RKF限定LIVEも記念すべき10回目を迎え、今回は「〜with オーケストラ〜」という新しい試み。そのオーケストラに選ばれたのは日本でも5本の指に入る新日本フィルハーモニー交響楽団。会場は日本初のワインヤード(ぶどう畑)方式を採用し、ステージを囲むようにして配置された360度どの席にも歪みのない音がいき渡る「世界一響きの美しいホール」を目指して建築されたサントリーホール。常に室温23度で完璧に管理されているという世界最大級のリーガー社製パイプオルガンをも有す、文字通り日本でも最高峰のホール。そこで河村隆一が歌うというのだから、まさに超プレミアムLIVEだ。
 学生時代は部活やサークルの関係もあり、クラシックコンサートへ足を運ぶ機会も多かったが、今では行く機会が激減していた久方ぶりのクラシック。むしろしょっちゅう見ている隆本人より、初めて行くサントリーホールや初めて生演奏を聴くことが出来る新日フィルへの期待が大きく、私自身とても楽しみにしていた。そう。今回のLIVEはオーケストラとサントリーホールが見たくて来たようなモノなのだ。隆だけのいつもと変わらぬLIVEだったら来ていなかった(笑)
 会場内に入ると携帯は圏外。おそらく演奏の妨げにならないよう、元々電波が通らない構造になっているのだろう。私の席は2階正面のCブロック後方だが、ステージまでの距離もさほど遠くはない。全体を見渡すことが出来、非常に見やすい席だ(*^_^*)そして正面には噂のパイプオルガンが…!!「これ動かすのに一体いくらかかるんだろう…?」などと庶民な考えを巡らしながら客席を見渡す。以前、オフィのBBSでは服装に関して大袈裟すぎるほど過敏になってる書き込みが多く見受けられたが、予想通り極少数派を除いて普段着と変わらぬ出で立ちと思われる方々の方が多い。「ドレスアップだなんて馬鹿馬鹿しい!クラシック行った事ないの?」などと言う書き込みもあったが私もその意見に拍手!だっただけにホッと安心(笑)
 LIVE…いや、コンサートと呼ぶべきか?ほぼ定刻通りに開演。隆は上下の黒スーツ姿。中に着ている白ブラウスの襟や袖部分が細くビラビラとひも状になっていたがハッキリとは見えず。見た瞬間思わず「細っっっ!!!」と思ったほど(笑)スレンダーでホント、カッコイイぞ!!河村隆一(*^_^*)
 1曲目は「in the sky」。初めて聴くオーケストラアレンジ。この1曲目から早くも私の脳髄に衝撃が走った。今まで聴いてきた音楽とは比べものにならないほど音が良い!!!噂には聞いていたが素人の私にすらこのホールの音響の素晴らしさが良くわかる。確かにバランスも良い。そこに隆の歌声が融合する。彼のボーカリストとしての資質・技量・声量の素晴らしさは周知の事実だと思うが、とにかく隆の声が凄い!凄すぎる!!(-""-;)このホールの構造の利もあるとは言え、この声を聴いて「歌、ウマっっっ!!!」と思わない人間がいたら余程音感のないヤツだろう。まさに「美声」である隆の歌声はオーケストラの演奏に見事にマッチし、今までLIVEで幾度となく聴いてきた曲に新たな拡がりを与えた。隆の気持ち良いほどよく伸びる声に酔いしれつつちょっとボサノバ風なアレンジの「ジュリア」、続いて隆プロデュースのセイアへの提供曲「花」へと続く。この曲は知らない曲だったんだが、隆は時折バックステージの客にも向かいながら大きく両手を広げてのびのびと歌っていた。「10回目という事で…新しいチャレンジが出来て嬉しい」と語りながらここで新日フィルの紹介。「大切な曲は沢山あるけれど、その中でも好きな1曲」とのMCを挟みながら「CIELO」へ。この曲が入ると期待していた「きらら」はやらないな…と少々残念にも思えたが、「CIELO」も久々に聴いたので嬉しかった(^_^)照明も落とされ、コンマス・ピアノ・アコギ、そして隆のみが青いライトで照らされるなか演奏。一音一音に魂込めて大切に歌う隆に会場内も緊張感に包まれ、物音一つ立てずに聴き入っている。「confession」では緑っぽい照明に変わり、バックステージに雲と地平線をイメージしたような景色が照明で映し出され、キャンバスに描かれた絵を見ているようだった。この時ばかりはバックステージにいたら見えなかった効果なだけに正面で良かった、と思った(^_^;)曲はオーケストラによりかなり壮大なアレンジになっており、今回のSET LIST中、最も良かった曲だった(*^_^*)「激痛」ではタイトルにイメージを合わせたように赤い照明に包まれた中熱唱。コントラバス・チューバ・ホルン等にティンパニを加え、低音系が活かされるアレンジになっていた。そして美しいピアノの前奏でしっとりと始まった「Glass」。感想から自然に溶け合うように入ってくるバイオリンの旋律も美しい。ここで第一部終了。

 20分間の休憩中、「マイクの音が小さくて聞き取りにくい」「オーケストラの方が人数多いし音大きいからマイクの音もっと大きくしてくれないと…」「やっぱりいつものROCKのようにガンガン来るような音量じゃないとね」等と隣の人が語っていた。これをいつものLIVEと勘違いされては困る。ガンガンな曲はまた別のLIVEでいくらでも聴けるだろうにここでそれを求めないでくれ(苦)マイクの音が小さく聞こえるのは隆が極端に強弱をつけて歌う為、小声で歌う部分が聞き取りにくいのだろう。それに約80人のオーケストラに合わせてマイクの出音を大きくしたらもの凄くバランスが悪くなる事くらいわからんのだろうか?(-_-)演奏もボーカルも突出しすぎていては駄目だ。融合でなければ意味がない。従ってマイク出音や音響等に関しては何の問題もなかったと私は思う。さすがサントリーホールと言うほかない。

 第二部で演奏された「静かな夜は二人でいよう」や第一部の「Glass」のように文節で区切り、喋るような感じで途切れ途切れに歌うアレンジは好きじゃない。以前のツアーからこのようなアレンジにされているが悪く言えば「ためすぎ」。それまで気持ちよく聴いてた曲への集中力すら途切れるようで、聴く側はゆったり聴けない。往年の演歌歌手が似た歌い方をするのでどうもそのイメージが…(-""-;)下手にいじらないで、普通に歌ってくれた方が私は好きなんだが…。「stop the time forever」もそうだ。オーケストラの演奏に対してワンテンポ後だったり、前だったり…。演奏とかなりずれて聞こえる歌唱法なだけに、耳慣れない人には違和感のある歌い方だろう。隆の技量はわかるがここでそんな玄人くさい事をする必要はさして感じないのだが…??それともこれが隆の目指す「新境地」なんだろうか?
 「次はもう少し皆の近くに行って歌いたい。」とのMCで続いて演奏されたのは「この旅を続けて」。何とマイクレスだ。以前マイクレスで「きらら」を聴いた時も言葉にならないほど感動したが、今回も素晴らしかった!反響板のみでまったくのナマ声なのに元々の声量もあって、マイクなしでも会場の隅々まで声が響き渡る。「あの華奢な体の一体どこからこんな声が??」と、改めてヴォーカリストとしての彼の才能に脱帽する。日本には数え切れないほど様々なタイプのヴォーカリストがいるが、隆の声質・声量はその中でも群を抜いている。SOFT BALLETのVo.遠藤遼一も素晴らしい美声の持ち主だが、個人的には河村隆一にNo.1を与えたいとすら思っている(笑)マイクレスだとヴォーカリストとしての力量がモロに出てしまう為、少しでも自信のない輩には到底出来ない行為だと思うが、隆にはこういった試みを続けていって欲しい。何より「皆の近くで歌いたい」と、機材に頼らずナマの歌声を聴かせてくれる隆の気持ちが嬉しいじゃないか(*^_^*)マイクを使わない代わりに両手を使って、体中で歌を・歌詞を表現しながら全身で歌う隆は一まわりも二まわりも大きく見えた。本当に心から感動した!(>_<)「Love is ...」では多少音をはずす場面もあったが、拍手喝采の中、本編は感動のうちに無事終了。

 鳴りやまない拍手にメンバー再び登場。「今回は初めてこういう場所で出来て感動しています。地方まわって、東京まわって…来年はいよいよ新しいスタンダードを作るため頑張ります」「自分が人気者になりたくてROCK始めたけど、欲だけでは音楽は続けられない」「自分が好きな音楽は誰もが知っている曲(ビートルズとか)が多いから、自分も皆が聴きたいと思ってくれる曲を作りたい…もう沢山あるんですけど(笑)これからも是非付いてきて下さい。…名曲を贈ります」と、アンコールの1曲目に初披露されたのは「新曲」。「あなたに伝えたくて〜」といった歌詞が記憶に残るバラードだ。曲の合間に、360度の客席に向けて両手を広げ、手を振って客席の皆に向けて笑顔で応える隆。隆の退場に合わせてボリュームを一層上げ、感動的な演奏を最後まで聴かせてくれたオーケストラの方々にも惜しみない拍手が贈られた(*^_^*)
 感極まった客席はあちらこちらでスタンディング・オベーション。再び登場した隆にその数は増し、隆の「最後に、今日来てくれた全員に贈ります―」のMCにも座る気配はなくそのまま「深愛」が始まってしまった。それまでホールや演奏や歌声に酔いしれ、気持ち良い感動のまま最後を迎え、中でも最も聴きたかった「深愛」をゆったりと腰掛けながら聴くのを一番の楽しみにしていた私は、目の前に直立不動で立ちつくすオバチャン二人に視界を遮られブチ切れ。「すみません。見えないんですけど!」とその肩を掴んで座るように指示すると、一瞬座る気配を見せたが、「でも他の皆も立ってるじゃない」とでも言いたげに、かろうじて隆の正面だけは見えるように体を少しずらすとまたすぐに立ち上がってしまった。再び注意したかったが、すでに歌も始まってる手前、これ以上「雑音」を立てるわけにもいかず、仕方なく諦めた。おかげでこっちは二人のオバチャンの体の隙間から隆「だけ」を覗き見る形になってしまい、ピアノもアコギもコントラバスも…とにかくオーケストラの両端に位置する方々がまったく見えない状態で大好きな「深愛」を聴くハメになった。先にも述べたように、私は今回のLIVEが隆だけだったら来ていない。オーケストラやホールへの期待と興味の方が大きかったくらいなのだ。それなのに自分らがそうだからと言って、皆が皆「隆だけ」が目当てだと思ってるのか?隆さえ見えれば文句ないとでも??第一クラシックで突っ立ったまま演奏を聴く客なんて見た事ない(ついでに言えば大声で出演者に話しかける人もな!今回もいたけど…/苦)スタンディング・オベーションしたい気持ちは充〜分わかるけど、演奏が始まったら座るのが礼儀・常識ってモンだ。この昼の部はRKF限定という事だから100歩譲って多少無礼講があっても仕方ないとしよう。だが、おそらく夜の部でも同じ状況だったのではないかと思う。夜の部では一般発売もされてるし、新日フィルのFANの方もいるだろう。その人達がこの状況を見て何と思うか?クラシック慣れした人達から見れば、演奏中に立ち尽くし、ろくにステージも見えない状況が続くなんて初めての経験だろう。「河村隆一FANってナニ?非常識すぎる!」って思われても仕方のない行為だ。特別なLIVEだからと、己の自己満足の為に誰が見てるわけでもない外見を着飾る事に気を遣うより、第三者的な立場で全体を見渡した時に恥ずかしくない行動を自分がとってるか、迷惑な行為をしていないかといった事に気を遣ってもらいたい。スタンディングLIVEの時もいつも思うが、どうもRKFの人達はTPOに関する常識やマナーの感覚が他とズレている(-_-)
 そんな事もあり、ゆったり腰を落ち着かせて聴くどころか、身を乗り出してイライラしながら聴くハメになってしまった「深愛」だが、やはり名曲。聴けば感動するものだ。またこのような試みがあれば是非行きたいと思う。他の客にちゃんとマナーを理解してもらってからな。
 それにしても、これほどのヴォーカリストを有していたLUNA SEAというバンドの存在が今はもうないというのがつくづく惜しい。数え切れないアーティストの中からLUNA SEAを選んだ「SLAVE」の耳は充分自慢できる。これからも「SLAVE」であることを誇りにしよう(笑)
 最後に、破格の値段で今回のチケを譲って下さった方に感謝致します。ありがとうございました!!\(^o^)/



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